高周波増幅器(2)
● 電波障害注意!
1. 1.24〜1.32GHz、100mW 発振ユニットの作成:
ストリップライン発振器の出力(1.24〜1.32GHz、1〜2mW)を、LPFを通して、高周波モジュール: ERA−2SM(10mW、〜 6GHz、ミニサーキット)と、PHA−11+(2つのアンプで100mW、〜 3GHz、ミニサーキット)の 2段で増幅する。
PHA−11+(入力1.25mW、 出力 21.4dBm=141mW(2GHz)、20.4dBm=110mW(3GHz))は本来
プッシュ・プルで使うところを、ここでは平衡が取れていないので、パラレルで使用した。このモジュールへの電源をON−OFFすることにより、増幅器全体の出力をON−OFFができるようにした。
消費電力は、全体で 5V、230mA程度で、レギュレータIC(12V
→ 5V、1A)には放熱器をつけた。
2. ドライバー/パワー ユニット、出力10Wの作成:
M57762(高周波モジュール、1.3GHz、max18W、SSB用、パワー効率η=28%)を2段で別々に作り、リニアにつなげて終段で
約10Wの出力が得られるようにした。
高周波モジュールのドライバー段は、最初 M67715(Pout 1.2W、
Vcc1、2、Vbb=8V)を検討したが、入力の絶対最大定格が10mWしかないので、装置全体の堅牢性を考えてドライバーも
M57762にした。 M57762の入力の絶対最大定格は 2Wなので、この程度の発振器ではちょうど良いと思われる。
パワー段の発熱は大きい(12V × 3.6A ≒ 44W(1.27GHzのmax時))ので、大きな放熱器に取り付けたが、短時間ならば問題ない程度だった。
3. ヘリカルアンテナの作成:
電波発射テスト用のヘリカルアンテナは、φ2mmスズメッキ線を曲げ、N型コネクタ(プラグ)に付け エポキシでモールドして固定した。
(* λ/4遅延線による ターンスタイルアンテナでは、平衡が取れていないので、LEDの光り方に極端なムラがでる。)
ヘリカルアンテナの寸法は、 電波の波長 λ = 23.4cm (at.
1.28GHz)より、
螺旋の直径 D: λ/π = 7.69cm、 螺旋のピッチ P: λ/4
〜 λ/5 = 4.68 〜 5.85 ≒ 5cm
とし、3T巻いた。
* ヘリカルアンテナには、右螺旋と 左螺旋 があって、それぞれ、右円偏光電磁波、左円偏光電磁波を、(反射板を下に置いて、)ほぼ垂直上面に発射する。
発射電波は、2.4GHzGa−Asアンプ・周波数カウンターで室内で一様にどこでもフルカウントし、簡易スペアナGigaSt−v5でも充分に検出した。
Sバンド・ショットキーダイオード 1SS154を 反平行に付けた LED(+抵抗150Ω)は、アンテナ近傍で(下部が強めで)一様によく光った。